2017年1月5日木曜日

◆イエ制度にびっくり

 まだはっきり決まったわけではありませんが、今の恋人と一緒に住むか、結婚するか、そういう風になりそうな流れです。

 さてそれで、今後のことを話し合っているうちに気付いたのですが、多くの人は、今も「イエ」というものについてすごくこだわりがあるんですね。

 恋人がそうだったのです。一人娘なので、いずれ自分が家や土地を継ぐかも知れない……ということについて、すごく真面目に考えているようです。

 一方で、僕は自分の実家の土地や建物については、ほとんど気にしていません。

 長男ではありますが、実家の土地や建物は「いずれ自分が継ぐ」とは考えていなくて、むしろ「両親がどっちも死んだらどう処分しようかしら」という程度にしか考えていません。

 わりと、一人暮らしでいろいろな土地を転々としてきたところがあるからでしょうか。これで僕は、自他ともに認める、名実ともに「根無し草」だと言えそうです。

 たぶん、僕のこの気質は、両親の気質を継いだのでしょう。

 しかし、実家の両親から聞いたことがある話をよくよく思い出してみると、きうり一族のそうした根無し草的な気質もまた、「イエ」制度の束縛の裏返しであることが分かります。

 父親の実家は山形県ではなく、別の県にあります。

 で、その実家は、現在は父の兄が継いでいるそうです。長男なので。

 ただその実家もまた、イエとか長男とか、そういうのにすご~くこだわるそうです。僕の伯父さんにあたるその人は、いかにも「俺は長男だぞ」みたいな態度が体に染み付いているようなキャラクターらしい。

 だからこそ、僕の父親はそんな実家からさっさと出てしまったんですね。んで、平気で山形県くんだりまで来てしまったのでしょう。

 さて僕の母はというと、さる地方の素封家の三女です。その家自体は今はもう没落したのですが、それでも、僕の叔父さんにあたる人が継いでいます。

 そして僕の母は、末っ子なので可愛がられていたようです。好きなことを好きなようにやりながら育ってきたらしい。趣味人で、自分のやりたいことができればそれでいい、という性格です。だからやっぱり、イエなんてものにはあまりこだわらない。

 実家に愛着はあるようなのですが、さる親戚のせいで遺産問題でもめ、その実家とは疎遠になりました。母方の親戚は、わりともうバラバラです。

 ですから、「イエ」の束縛からは、比較的自由なポジションにいるんですね。僕の両親は。

 僕も、その気質を知らずに受け継いでいるのかも知れません。

 そんな立場から、こうやって自分の周囲を眺め回してみると、意外と多くの人が「イエ」を気にしてるんだなあ、と改めて驚いてしまうわけです。

 僕がネット上でわりと頻繁にやり取りさせてもらっている人たちも、どっちかというと気ままな独り暮らしを楽しんだり、気持ちの自由さを大事にしたりするようなタイプが多いと思います。

 だから、イエのことなんて、現代の若い人はそんなに気にしていないんだと思っていました。

 でも自分の恋人とか、両親の実家とか、みんなどこかしらで「イエ」制度と深く結びついているのです。意外と気にしてるものなんだな……というのが正直な感想です。

 僕自身の心情を言えば、土地だの家だの、たとえ相手が両親だとしても「いずれは自分がもらえるんだ」とは考えません。遺産なんて、面倒臭いことばかりだという先入観があります。

 先述した、遺産相続問題で親戚がもめたのが、僕の先入観の原因です。「他人のものをアテにするもんじゃない」という強い思いがあります(とはいえ自分に自覚がないだけなのかも知れませんし、将来その考えが変わらないという保証もありませんが)。余計な心配のもと、問題のもと、トラブルのもとです。

 でも同時に、自分のその考えを、他人に押し付けようとも思いません。

 ですから、イエ制度の根深さに驚きつつも、自分自身はわりと身軽な立場として、まあ恋人の好きなようにさせようと思います。僕はとりあえず、そっちについていきます。